ディスクロージャー誌2023
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 令和4年度は、経済動向は全体として持ち直してきているものの、新型コロナウイルス感染症(以下「コロナ」といいます。)の影響による厳しさが残る中、物価上昇の影響が一部に見られ、また、海外経済・金融を巡る不確実性の高まりも懸念された1年となりました。 保証承諾は、前年度以降、各種コロナ関連保証の利用が一巡し、保証期間・据置期間も長期で導入されているため、再調達の需要も少なく落ち着いた動きとなっていましたが、令和4年7月に創設した提携保証や令和5年1月に制度拡充した「伴走支援型特別保証」等により、コロナ関連保証の借換え、再調達等の資金繰り支援を積極的に実施したことで、今年度の保証承諾、保証債務残高はともに前年度実績及び計画を上回りました。 一方、代位弁済はいまだ低水準ではあるものの前年度実績及び計画を上回りましたが、実際回収は厳しい回収環境の中、前年度を下回ったものの計画を上回りました。 収支状況を見ると、経常収入は保証債務平均残高が計画を上回ったことで計画を上回りました。一方、経常支出は業務費において、長引いていたコロナにより自粛していた業務活動が再開されたことにより前年度を上回ったものの計画を下回りました。その結果、経常収支差額は606百万円(計画額514百万円)と計画を上回りました。 また、経常外収支は、償却求償権回収金は昨年度の反動で減少したものの計画を上回った一方、保証債務残高増加による責任準備金繰入の増加などから、経常外収支差額△96百万円(計画額△9百万円)と計画を下回りました。 この結果、制度改革促進基金取崩額51百万円を加えた当期収支差額は560百万円(計画額564百万円)となり、おおむね計画通りとなりました。当期収支差額の処理については、280百万円を収支差額変動準備金に繰り入れ、残り280百万円を基金準備金に繰り入れました。 なお、個別重点課題等の自己評価に関する意見は以下のとおりです。 業況回復が遅れ、経営に支障を来している中小企業に対して、コロナ関連保証の借換え、再調達等の資金繰り支援を実施するとともに、金融機関との対話、モニタリング・フォローアップ等を通じてコロナ等の影響をヒアリングし、金融機関と連携して中小企業の業況把握や収益改善に向けた本業支援に努めたことは評価できます。経済動向は持ち直してきているものの、コロナの影響は残っており、また物価上昇の影響、海外経済・金融の動向も懸念される中、令和5年度は、「長崎県新型コロナウイルス感染症対応資金保証」いわゆるゼロゼロ融資の返済本格化を迎えます。引き続き、中小企業の資金繰り支援や本業支援に取り組み、個々の中小企業の業況に応じたきめ細やかな支援に努めてください。 これまで以上に金融支援のみならず、経営支援や再生支援が重要となっています。引き続き、貴協会の支援能力を向上させるとともに、関係機関との連携、国や地方公共団体の施策に沿った適切できめ細やかな支援に積極的に取り組む必要があります。 金融機関や中小企業支援機関と情報共有の場を設け、金融支援のほか、専門家派遣事業、経営サポート会議等を継続し、また、コロナ関連保証利用企業へのモニタリング・フォローアップとして、金融機関からの業況報告書を基に、金融機関と連携したフォローアップに取り組み、必要に応じて返済緩和5.外部評価委員会の意見(1)保証部門について(2)期中管理・経営支援部門について33

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