などの対策や、職員の能力向上のための研修や組織内の活性化を目的とした研修は、安定かつ効率的な業務運営を行うための組織体制強化として評価できます。システム関連では、環境整備を図りながら、電算共同システムの安定運用と業務の電子化に適宜対応していますが、引き続きシステムリスク及びセキュリティリスクに高い意識を持ち、必要に応じて各業務の電子化を推進することで、利便性向上及び事務効率化に努めてください。 各種保証制度や経営支援・再生支援等の取組を周知することは、中小企業支援の推進と強化に繋がります。職員の広報マインドの醸成を図り、広報媒体の見直し等を行うなど、効果的な情報発信に取り組んでください。 信用保証協会は、高いレベルでの自己規律に基づき、公共的使命と社会的責任を果たす必要があります。今後もコンプライアンス態勢の維持・向上及び反社会的勢力の排除、BCPの強化については、引き続き組織が一体となり取り組んでください。 ゼロゼロ融資は、コロナの影響による売上減少等に伴い経営に支障がある、又は経営の安定に懸念がある中小企業の資金繰り支援措置として講じられ、その後の支援として「伴走支援型特別保証」が続きました。経済が停滞する中、全国的に企業倒産は抑制され、多くの企業はコロナ禍を乗り切り事業継続することができ、ゼロゼロ融資は相応の役割を果たしたといえます。貴協会でも、事故や代位弁済が低水準で推移したことから、各部署が中小企業の資金繰り支援や経営支援に尽力した結果と評価できます。 しかしながら、社会経済が正常化する中、業況回復し経営が安定している企業が順調に返済を進める一方、厳しい経営環境の下で業況や資金繰りが改善しない企業もあり、コロナ前から業況が低迷していた企業を中心に事故や代位弁済は増加しつつあります。リーマンショック時は数年後に事故や代位弁済が増加したことから、これから先の支援が一層重要であり、ゼロゼロ融資がどのように機能したのかということを踏まえたうえで、今後どのように支援を行っていくのかという視点も必要ではないかと思われます。 今後は、中小企業の経営状況や変化の兆候を把握し、資金繰り支援に加え、経営改善や事業再生などを早めに提案することで、事故や代位弁済を未然に防ぎ、中小企業の持続的発展を支援する必要があります。信用保証協会が率先して働きかけ、金融機関や各支援機関等と連携して、経営改善や事業再生に取り組むことが期待されています。また、求償権先には、再チャレンジに向けた支援にも取り組み、中小企業の新陳代謝や活性化に繋げていくことも重要です。引き続き適切な債権回収に取り組みつつ、事業継続や事業再生の支援にも努めてください。 中小企業支援において、信用保証協会は公的な「金融と経営の総合支援機関」として重要な一翼を担い、その期待はますます大きなものとなっています。その期待に応えるため、職員の能力向上や意欲向上を目的とした職場環境づくりにも引き続き取り組んでください。そして、中小企業の資金繰り支援と経営支援、再生支援に役職員一体となって取り組み、中小企業の維持、発展を積極的にサポートすることで、活力ある地域経済の発展に貢献されることを期待します。(5)総括44
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