ディスクロージャー誌2025
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 経常収入は、保証承諾及び保証債務平均残高の減少に伴い、保証料収入が前年度と比べ90百万円減少した一方で、令和4年度及び令和5年度の代位弁済増加による責任共有負担金の増加等により、経常収入の合計は23億53百万円、前年度比102.7%、前年度と比べ62百万円の増加となりました。 経常支出の合計は18億24百万円、前年度比100.6%となりました。保証債務平均残高の減少により信用保険料は減少しましたが、保証業務の電子化に伴う文書管理システム及びサーバーの導入にかかる費用、本所事務所の管理にかかる負担金等の増加を要因として、経常支出は前年度比11百万円の増加となりました。 その結果、経常収支差額は5億29百万円となり、前年度比110.6%、計画比127.1%となりました。 経常外収入は、代位弁済における保険金受領の減少による求償権補填金戻入が減少し、経常外支出では求償権償却が減少したことにより、経常外収支差額は5百万円、前年度比90百万円の減少となりました。 経常収支差額と経常外収支差額の合計額5億34百万円に、制度改革促進基金取崩額43百万円を加算し、当期収支差額は5億77百万円、前年度比94.9%、計画比130.9%となりました。 なお、当期収支差額の処理は、2億88百万円を収支差額変動準備金に繰り入れ、残り2億89百万円を基金準備金に繰り入れました。 基本財産は、当期収支差額5億77百万円のうち2億89百万円を基金準備金に繰り入れたことにより、期末の基金準備金は147億91百万円となり、基本財産総額は228億12百万円となりました。また、制度改革促進基金は、43百万円を取り崩した結果、期末残高60百万円となり、収支差額変動準備金は、当期収支差額のうち2億88百万円を繰り入れたことにより、期末残高61億18百万円となりました。❶ 中小企業に寄り添った、きめ細やかな資金繰りと経営改善の支援 感染症の影響や、物価高等の複合的な要因により経営に支障をきたしている中小企業への支援のため、6月末で申込受付が終了する伴走支援型特別保証について周知漏れがないよう、ゼロゼロ融資のみを利用し、その後の保証利用がなく、金融機関のモニタリング対象先でない企業1,563先に対して直接チラシを送付する等、保証制度の周知強化と利用促進を図りました。 また、実地調査や面談、McSS(経営診断報告書)の提供等、事業者と直接対話をする機会を通して、企業の実態や経営課題等を把握した上で、経営状況や成長性を総合的に評価・分析し積極的な支援を行うことができました。 加えて、保証から再生支援までの各フェーズで企業に対し経営支援を提案する部署横断的な支援体制のもと、保証部門で保証の申込や事前協議等を受けた企業の中から経営支援の必要性を検討して抽出を行い、経営支援部門と連携し、金融機関と情報共有しながら保証利用先の経営支援に積極的に取り組むことができました。 その結果、資金繰りや収益力等に課題を抱える企業に対して、伴走支援型特別保証等の政策保証を活用した借換えによる返済負担軽減等の資金繰り支援や保証部門における支援先の抽出等を行ったことによるタイムリーな経営改善の支援に取り組むことができ、伴走支援型特別保証の取扱終了に伴う駆け込み需要と相まって、保証承諾(計画比130.4%)、保証債務残高(計画比102.7%)ともに計画を上回りました。4.重点課題への取り組み状況(1)保証部門32

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