ディスクロージャー誌2025
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 今後予定されている保証申込関係書類の電子的授受の本稼働を見据えて、事務手続きの効率化及び保証利用の利便性向上を目的に、書類をデータで保存するための文書管理システム及びサーバーの導入や受付業務のRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)活用について関係部署が連携して検討し、開発ベンダーの協力のもと同システム等の導入作業に取り組みました。 保証業務の電子化については、まだ取扱いがない金融機関に対しても必要な情報共有を行う等、利用推進に努めました。 事業継続計画(BCP)に基づく訓練やシステム関連機器の更改を適宜対応し、事務所内の電源設備等について現状を把握するとともに、現状の課題を検討する等リスク管理に努め、システムの安定運用に取り組むことができました。 社会経済活動の正常化が進み、県内では景気回復がみられる一方で、感染症の影響に伴い増大した債務の返済負担や、人手不足、物価高等の影響を受ける中小企業にとっては厳しい経営環境が続いています。 このような中、長崎県信用保証協会は、金融機関や中小企業支援機関、県や市町等と連携し、中小企業の資金繰りや経営の安定に寄与するため、事業者に寄り添った、きめ細やかな支援に取り組まれました。 保証部門では、伴走支援型特別保証や経営力強化保証等の幅広い保証制度の周知、同制度等を活用した積極的な資金繰り支援に努めた結果、保証承諾及び保証債務残高は計画を上回る実績に繋がったものと考えます。 また、期中管理・経営支援部門も、部署横断的に経営支援を提案する新たな組織体制のもと、金融機関や中小企業支援機関との情報共有及び連携強化を図り、保証部門と協力の上、組織一丸となった経営支援に積極的に取り組むとともに、創業や事業承継、事業再生等を後押しする取組にも引き続き努められています。 代位弁済については、返済負担軽減のための借換えや条件変更による返済緩和等の柔軟な対応、加えて、過年度からのゼロゼロ融資等の金融機関モニタリング報告のフォローアップ、中小企業の経営改善に向けた支援等のきめ細やかな取組のもと、コロナ前の水準には戻りつつあるものの、前年度と同程度の実績にとどまっています。 回収部門では、厳しい回収環境の中で、管理事務停止及び求償権整理による回収業務の効率化を図るとともに、債務者等の実情に応じた回収方針を早期に策定することで回収の最大化に努められました。 令和6年度は、コロナ関連保証に関する取扱い等について少しずつ整理が進み、通常の保証や条件変更等の日常業務に順調にシフトする中で各部門の施策に積極的に取り組むことができ、経営支援にも注力できたことが、結果的に収支状況や財務面に好影響を与えたものと考えます。 収支状況は、保証承諾及び保証債務平均残高の減少に伴い保証料収入は減少した一方で、令和4年度及び令和5年度における代位弁済の増加に伴う責任共有負担金の増加等により経常収入は増加したため、電算システム関連の支出や事務所営繕費等の増加によって経常支出は増加したものの、経常収支差額は5億29百万円、前年度比11百万円増加しました。その結果、当期収支差額は5億77百万円、前年度と比べ31百万円の減少となりましたが、計画比では130.9%と計画を上回り、役職員一人一人が経営計画に基づき各担当業務に積極的かつ確実に取り組んだ結果と考えます。❻業務の電子化、電算システム活用の推進❼電算共同システムの安定運用、リスク管理外部評価委員会の意見37

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