令和6年度においては、社会経済活動の正常化とともに、長崎県内の景気は緩やかに回復しています。一部には物価高の影響はあるものの、個人消費は賃上げや人流の回復を背景として緩やかに増加し、観光も増加が続いています。公共投資は回復していますが、設備投資の増加の動きは一服しています。生産は増加し、雇用、所得環境は緩やかに改善していますが、一部では人手不足感の強まりが続いています。 中小企業・小規模事業者(以下「中小企業」といいます。)の景況感は、人手不足感の高まりや物価高の影響が続いており、持ち直しの動きに足踏みがみられました。県内の倒産は件数、負債総額ともに前年を上回り、一部の中小企業は業況回復が見られますが、経営基盤が不安定な企業にとっては、人手不足や物価高等の課題を抱えて引き続き厳しい状況が続いています。 上記環境の下、複合的な要因により債務が増大している中小企業や事業発展に前向きに挑戦する中小企業に対して、当協会は公的な「金融と経営の総合支援機関」として、国や地方公共団体の施策を踏まえ、金融機関、中小企業支援機関等と連携し、企業のライフステージに応じたきめ細やかな事業者支援に引き続き取り組む必要があります。そのため、増大した債務の返済負担軽減を図るための借換えを含む資金や事業の維持や成長、収益性や生産性の改善に向けた資金の需要に対して、各種保証制度による資金繰り支援に努めます。加えて、保証から再生支援までの各部門の職員が一丸となり、企業の経営課題解決に向けた提案を行い、経営改善及び事業再生の支援に努め、更に、創業や事業承継、再チャレンジ等の思い切った事業展開への支援、経営者保証ガイドラインの浸透と定着のための周知に引き続き取り組みます。これらの取組により中小企業の持続的発展を積極的に後押しし、地域経済の発展に貢献します。 中小企業の適切な業況の把握に努め、中小企業のライフステージに応じた多様な資金ニーズに対し、金融機関と連携しつつ、タイムリーな支援を行います。 感染症の影響や物価高等の複合的な要因により増大した債務を抱え、資金繰りに苦しむ中小企業に対しては、金融機関と連携した上で、経営力強化保証、小口零細企業保証等の各政策保証を利用し、借換えを含めた資金繰り支援に取り組みます。また、個々の中小企業の経営状況に応じた支援を実現するため、適切なモニタリングの実施に取り組むほか、引き続き経営支援部門と一丸となり、経営改善に向けた支援に努めます。 また、近年増加する突発的な自然災害等により被害を受けた中小企業に対しては、必要に応じて事業再建のための資金繰り支援に積極的に取り組みます。 ❶中小企業に寄り添った、きめ細やかな資金繰りと経営改善の支援1.経営方針2.重点課題(1)保証部門(1)長崎県の経済を取り巻く環境(2)中小企業・小規模事業者を取り巻く環境(3)業務運営方針40令和7年度 経営計画
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