保証だより秋号vol70
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と保証利用企業数については7年ぶりに増加しましたが、平成28年度以降は保証承諾、保証債務残高ともに減少しています。全国的に見ると健闘しているとも言えますが、継続した努力が必要です。 一方、代位弁済は、「中小企業金融円滑化法」終了後も金融機関や中小企業再生支援協議会等の関係機関と連携し経営支援や再生支援を継続していることもあり、平成29年度は対前年度比129.7%と増加したものの、金額は1,008百万円と、依然として低水準で推移しており評価できます。また、実際回収も回収環境が厳しくなっている中にあって、年々回収額は減少していますが、努力の跡は窺えます。 各基本方針実施状況については、セーフティネット保証が減少する中、政策保証の推進や顧客ニーズに応じた新制度創設、金融機関との積極的な情報交換会の開催、また、地方公共団体に対する創業制度創設や既存保証制度見直しの働きかけなど積極的な取組みが評価できます。引き続き、保証債務残高及び保証利用企業の維持・増加に努めてください。 また、創業支援・経営支援の推進、期中管理と再生支援の強化に関しては、「がんばる長崎中小企業経営支援ネットワーク」等を通じた金融機関等関係機関との連携をはじめ、経営支援強化促進事業の開始、外部専門家の派遣、創業セミナーの主催・共催、個別企業へのモニタリング・フォローアップ、事業承継への取組み等、支援体制の強化に取組んでおり評価できます。 運営・体制の取組みに関しては、全職員からの業務全般に関する検討課題・提案の検討・実施・フォロー、第5次中期事業計画策定における職員の意見の吸い上げ等、組織の活性化に取組んでいます。また、「広報委員会」を中心とした広報の見直しにより、ホームページ、機関紙、チラシ等広報物のリニューアルや、大学への講師派遣、金融機関合同研修会等、新たな取組みを開始しており評価できます。 人材育成・開発についても、引続き職員のスキルアップ、有資格者の活用に努めてください。 コンプライアンス態勢の堅持、反社会的勢力の排除については、貴協会は高いレベルの公共的使命と社会的責任が求められており、引続き役職員のコンプライアンス意識の向上を図るとともに、コンプライアンス態勢の醸成と堅持、反社会的勢力の排除になお一層努めてください。 本中期事業計画期間中に、中小企業政策審議会金融ワーキンググループの最終報告が行われ、平成30年度から信用補完制度の改正が実施されました。これに伴い、信用保証協会には、金融機関と連携しつつ、中小企業に対して、創業期、拡大期、再生期の各ライフステージに応じたきめ細やかな支援を行うことが期待されています。 現在、県内経済は落ち着いた状況にあり、中小企業の景況感もマイナスとはいえ大きな変動はありません。貸出金利は下落傾向にあり、相対的に保証料が割高に見えています。このような状況下で、全国的な趨勢として、保証承諾、保証債務残高が減少することは理解できます。 難しい問題ではありますが、安定した中小企業のサポートのためにも、金融機関との適切な補完・協力関係を維持する一方、信用保証協会に求められる独自の役割の遂行と、健全な経営の両立が必要であり、更なる自己分析と対応が必要だと考えます。 信用補完制度は中小企業金融において重要な制度であることは間違いないと考えます。貴協会におかれましては、公的な「保証機関」、「支援機関」として、中小企業のライフステージに応じた支援体制の充実・強化に努め、中小企業の良きサポーターとしての活躍と一層の発展を期待します。1212

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